ITエンジニアの視界

35歳を超えてもエンジニアリング領域で生きるITエンジニアの見たもの感じたことを発信していきます。

ブロックチェーンでサービスって大丈夫?

ブロックチェーンを活用するサービスが色々と出てきているけど、それって大丈夫なのかと思っちゃう。

大抵のサービスにはブロックチェーンなんて必要ないと思える。新しい技術でインパクトあるから集客見込めるみたいな動機で使うには危険過ぎるよ。偽物で名ばかりのブロックチェーンなら良いんだけど。

だってブロックチェーンはデータをシード(種)とするハッシュの連鎖によって改竄をしづらくする技術じゃない?改竄できないってのはさ、間違ったからって修正できないよっていうことなんだけど、それを許容できるサービスなんて存在するのかね?しかも一企業が提供するサービスにさ。

改竄も修正も動機は違えど行為は同じ。そこんとこ言われて「それは違う!」なんて思ったなら、絶対にブロックチェーンなんかに手を出しちゃダメ。

なぜ手を出しちゃダメなのか。それは顧客から預かった情報を消すことができないから。だって、その情報はチェーンの一部になってしまっているんだから。絶対に消せないんだよ。

でも消したい?それならセルフィシュマイニングを仕込んでおくんだね。ブロックチェーンを巻き戻せるよ。つまり、仕込んだポイント以降のチェーンはなかったことにできるんだ。素敵だね。でもさ、それはブロックチェーンを破壊する行為なの。そんな運用はブロックチェーンなんて言えないし、その行為はハッキングそのものなのよ。理由なんて関係なく。やったらニュースに載れるよ。もちろん悪い意味でね。

ブロックチェーンは、公共性があって削除不可能リスク込みで不可逆であることが適してるサービスにだけ適用すべきなんだ。紛失や盗難がおころうが現実を変えられない物理的な貨幣のような、例えば仮想通貨のようなサービスにね。

ビジネス分野において、「修正や削除が利かなくても構わない」なんてビジネスはそうそうない。人は失敗するものだから、修正や削除は絶対に発生するって話。間違った情報もゴミも全て残るのを求めるなんてことは普通ないよね。そんな情報管理のしかたは企業活動ではしないよね。

多くのビジネスで欲しいのは、ブロックチェーンではなくて、分散管理台帳の仕組みだよ。つまり対障害・保全が要件。履き違えちゃならないよね。

「うちのブロックチェーンは修正や削除ができるよ」って?そりゃ「うちのはブロックチェーンじゃないんです」って言ってるのと同じ。クワバラクワバラ

 

【追記】

そうそう、はてなにもブロックチェーンの解説があるね。一般的認識で書かれてるけど、変更できないという部分以外は一般的になされてる誤解そのものだよ。ブロックチェーンと分散管理は別の話だからね!みんなここを混同する。まるで「オブジェクト志向のカプセル化はprivate変数にgetter,setter使うことだよ」って話レベルの誤解っぷり。

そうそう、ブロックチェーンがデータを改竄されたことは知る限りない。というか、先にも書いた通り、動機の違いってだけでブロックチェーンとしては只の更新。改竄でもなんでもない。起きたことと言えば、セルフィシュマイニングやってた奴が巻き戻しを起こさせたってこと。被害者は巻き戻りによって現在までの履歴が吹っ飛んだので、被害者の視座・視点で改竄と言っている。というのが状況。被害者にとっては、紛れもなく改竄。が、被害者以外には只の更新。ブロックチェーンでサービスを提供する人々はこの辺の課題をどう扱うのだろうね。自社のリソースだけで提供するサービスなら、ブロックチェーン使うだなんて、プロモーション以外に意味がない。面倒臭いし。